バリ料理のツボ、サンバルメラを作ってみよう

バリ島の食事に欠かせないサンバルって何?

バリ旅行でインドネシア料理をオーダーすると、なにかしらソースのようなものが料理に添えられています。私はインドネシアのほかの島の料理にはあまり詳しくないので、バリ料理の「サンバル」に関してのみ説明しますね。バリ料理のサンバルは3種類。トマトを使う「サンバル・メラ(トマト)」、小さな赤玉ねぎを使った和え物のような「サンバル・マタ」、素材を揚げて作る「サンバル・ゴレン」です。揚げ物などのおかずに合わせるソースや薬味のようなもので、日本で言えば味噌とか醤油のように料理を作るときの調味料としての役目も果たします。

赤いソースが「サンバル・メラ」

ピクルスのような和え物風「サンバル・マタ」

いちばん良く目にする赤いソースは「サンバル・メラ(赤いサンバル)」または「サンバル・トマト(トマトのサンバル)」と呼ばれていて、フレッシュなできたての辛さを味わうために家庭で毎朝手作りします。

手前の揚げ物だけでなく、奥の白いご飯のみにも赤いサンバルがついています。

ちょっとおしゃれに添えていますが、カレーにも赤いサンバル。

持ち帰りにした鶏のから揚げにもちゃんと赤いサンバルがついてきます。

商品になったサンバルもスーパーで売られていますが、手作りされたサンバルの美味しさにはかないません。家庭によって作り方はいろいろ、学んだ作り方のなかから一番簡単に作れるレシピをご紹介します。

いちばんポピュラーなサンバル「サンバル・メラ」の作り方

材料:多少の増減は全く問題ありません。

(A)
ニンニク  3~4片 約10g
シャロット 6~7片 約50g →日本での代用:小タマネギや普通のタマネギ
トマト   1個 約80g
大きい赤い生唐辛子 4本 →日本での代用:赤ピーマン3個
小さい赤い生唐辛子 3本 →日本での代用:乾燥鷹の爪2本(辛くしたい場合は量を増やす)
キャンドルナッツ 3~4片 約10g →日本での代用:カシューナッツでもいいが入れなくても良い

(B)
椰子砂糖 小さじ1 15~20g →日本での代用:沖縄黒糖
トゥラシ(小エビを発酵させ固めたインドネシアの調味料:焼いて使います) 10g
→日本での代用:乾燥桜エビをフライパンで空炒りし、ミルで粉砕するか擂り鉢で出来るだけ細かく潰したもの大さじ1とナンプラー小さじ1

このように桜海老を空炒りしたものを

こんな感じで粉状にします。

(C)
塩 少々
ココナッツオイル 10cc
レモンまたはライム 1/4個

パームオイル 30cc →日本での代用:家庭でお使いの炒め油

手順(唐辛子を切る時は薄手のゴム手袋等で刺激から保護してください)
1.大きい赤い生唐辛子2本分だけ細かく刻んでおきます。
2.残りの材料(A)を大まかに刻んで鍋に入れ、材料がかぶるくらいの水を加えてボイルします。

3.沸騰したら火を弱め、水分がなくなるギリギリくらいまで煮詰めます。


4.ある程度冷めたら(B)を加えてフードプロセッサで粉砕します(あまり細かく砕きすぎない方がバリっぽいです)。


5.パームオイルをフライパンに入れ、1で刻んだ唐辛子を香りがでるまで強火で熱してから4を加えて油となじませます。

6.スパチュラで一本ラインをつけられるくらい水分がなくなったら仕上げに(C)を加えて完成。

一番のポイントはトゥラシの代用として使う桜エビとナンプラーです。トゥラシ(強烈に臭いです)を少量加えることで旨味とサンバルらしい香りができあがるので、代用ですができれば省かないでくださいね。
塩と黒糖はお好みで加減してください。

「サンバル・メラ」の使い方

材料を見てわかるように、うまみと辛みのが凝縮された味わい深いペーストです。
このまま唐揚、フライなどにつけて食べる。
酢やマヨネーズと混ぜてドレッシングやソースとして使う。
唐揚げの下味に使う。
餃子の餡の隠し味に使う。
チャーハンに加えるとインドネシア風チャーハンのナシゴレンになる。

冷凍保存できます

バリの家庭ではフレッシュな香りと辛さが好まれるので作り置きなんて有り得ないでしょうが、寝かせて落ち着いた辛さを好む日本人には冷凍保存でも問題はないでしょう。

小分けしてラップに包んでからファスナー付き袋で冷凍保存すれば1年くらい問題なく使えます。自然解凍してからオイルでソテーしてください。もう一度レモンを絞ったり少量のココナッツオイルを仕上げに加えると香りが蘇ります。

サンバルを手作りして、いつもの食卓をちょっと変えてみましょう!

記★料理人punkichi