ネパールヘルシー食の基本「ダールスープ風レンズ豆カレー」のレシピ

ネパール料理で、もっともと知られたダールスープ、グルテンフリーで子供にも大人にも好まれる味!

ネパール料理、基本は定食スタイル

ネパール料理はスパイスを使うインド風のカレー料理のほかに、中華料理の影響を受けたチベット料理もポピュラー。ネパールのカレーはインド料理よりも油は控えめ、スパイスの種類も絞られていてその分素材の味がよくわかりスパイシーなものが苦手な人でも受け入れやすい。
ダールスープという豆のスープが国民食で、ご飯とダールスープとスパイスを使った野菜料理、そこにアチャールという漬物で定食が出来上がる(これをダールバートと呼ぶ)。日本の定食と考えるとダールスープは味噌汁のようなもので、毎日食べても飽きないどころか「欠かせない」ものだという。

いとこの店のシェフがつくるダールスープの美味しさは、どうやっても同じようには出来なかった。ちゃちゃっと短時間で作るのに奥深い。同じ素材で同じように作っても火加減やタイミングが違うのだ。スパイスがシンプルなだけに、その香りの引き出し方がすごく上手い。「欠かせない」ものへの愛と食欲が私にはまだ足りないらしい。

隠し味のヒマラヤ岩塩

はるかはるか昔、4000~5000万年位前、インドとユーラシア大陸がくっついて海底が押し上げられヒマラヤの山々が出現した。今でも山頂付近から海の生き物の化石が見つかるのがその証拠。そして当時の海水が長い時間をかけ自然の力で圧縮され岩塩となり、ネパールの人々(ヒマラヤ周辺の人々)はその恵みをいただいている。

手前が粗塩状態のブラックソルト、瓶に入っているのがパウダー状のもの

シェフが使っているヒマラヤ岩塩、ブラックソルトと呼ばれる濃い紫褐色のもの。凝縮された豊富なミネラルで強い硫黄のような香りがする。これを少量、シンプルな豆のスープや野菜のスパイス炒めに入れるとあら~不思議、旨みがアップ。普段は野菜が中心のネパールの食卓で、この岩塩が素材の美味しさを引き出しているのだと思う。
最近は日本でもネットなどで手に入るので試してみるのもよい。


チベット料理には餃子や麺、雑炊もある

ご存知のように、チベットと中国には政治的な問題があり深刻な緊張が続いているが、食文化は長い時間をかけてつながりを深めていた。

「モモ」と呼ばれる蒸餃子はやみつきになる美味しさ
「トゥクパ」は辛口野菜麺
「シャクパ」はピリ辛雑炊
「プテコバッド」はチャーハン

中華をベースにどれもちょっと辛口なのがチベット風。寒い地方の料理らしく唐辛子と生姜とスパイスを使った温かい料理で体温を上げるメニューが多い。チベット・ネパールの山岳部は乾燥地帯なのに汁物?と思うかもしれないが、山岳地帯にはきれいな湧水があり飲用には全く問題ないという。

素朴なタイプのレンズ豆のカレー(ネパールのダールスープ)レシピ

ネパールは標高が高い。登山が趣味の方ならご存知だろう100℃にならなくても水が沸騰してしまうので食材を柔らかくするのに時間がかかる。なのでどこの家庭でも圧力鍋を使っての調理がほとんど。でもここは日本、圧力鍋を使わないレシピをご紹介する。レンズ豆も皮むきタイプを使うことで火の通りも早い。

材料

●レンズ豆 皮なし 150g (ムング豆 皮むきでも、混ぜてもよい)
●玉ねぎ 大  1/4個 みじん切り
●トマト 大 1/2個 ざく切り (今日はプチトマト 5個 1/4にカットしたもの)
●水 400cc~600cc (ネパールでは米のとぎ汁を使う人もいる)

●クミンシード 小さじ 1
●ターメリック 小さじ1/2
●カレーパウダー 小さじ1/2
●チリパウダー お好みで 今回は入れていない
●ひまわり油 (バターにすると味わいが変わる)
●塩 小さじ1 ヒマラヤ岩塩があれば半分ヒマラヤ岩塩で
●パクチー・せん切り生姜 好みで

★仕上げ(テンパリング)
●クミンシード     小さじ1/2
●ニンニク みじん切り 小さじ1/3

さあ、作ってみよう

レンズ豆をさっと洗いザルに上げておく

深めの鍋かフライパンに油を大さじ2杯、クミンシードを入れて弱火で加熱していく

クミンシードのいい香り立ち、深い茶色になったら一度火を止め玉ねぎを加える(油が熱くなっているので安全のため)

玉ねぎが透明になるまで炒めたらトマトを加える

玉ねぎとトマトが一体化してソースのようになったらターメリック、カレーパウダーを加える
コクのある仕上がりにしたい場合はここでおろしニンニクとおろし生姜を少量加える

レンズ豆を全量入れてよく混ぜ、水を加える

トマトの量や火加減で変わるが、どろっとした仕上がりが好みの場合は少なめの水量を加え、豆が柔らかくなってから水分を調整する

好みの濃度になったら、塩を加えて仕上げる

最後の仕上げテンパリング(さっぱりがお好みの場合はナシで)

フライパンに油を大さじ1杯、クミンシードと刻みニンニクを入れて弱火で加熱していく
★ネパールでは「ジンブー」という乾燥した細ネギのような植物をここに加えるのだけれど、入手困難につき加えられず。

濃い茶色になったら豆カレーの鍋に加える
ジャッと音がしてカレーがはねるので注意!

好みでパクチーのみじん切りをトッピング、千切りの生姜を加えるのも

スパイス効果を記した

「カレーのレシピは無限大、スパイスの効果で身も心も美しく健康に!」

で触れたネパール料理で、もっともと知られたダールスープ(豆カレー)これはネパール人シェフに教えてもらったレシピ。

私は濃度濃いめで多めに作って冷凍庫にストックしている。解凍して牛乳を加えて豆のポタージュ、パンチの効いた辛いカレーを食べるときに、豆カレーも添えて2種カレーとして楽しむのに最適。優しい味はどんなカレーとも相性がよく、不思議と食が進むようになる。
また、グルテンフリーカレーを作るときのとろみとして使うこともできるので非常に便利。

クミンシードをマスタードシードに変えたり、加えるパウダースパイスの種類を増やしたり、トマトの量を増やしたり、濃いめに作って生クリームを加えたり…アレンジレシピは無限大!

記★punkichi