呼吸でマインドフルネス、バルコニーでもヨガはできる!

ゆるヨガならバルコニーでもできる!その2

バリ島のホテルのバルコニーは、まるでプライベートヨガスタジオ、どこからか流れてくる竹楽器「ティンクリット」の調べ、鳥さえずり、少し湿った南国の木々の香りを感じながら今日の自分を感じる。

海岸沿いの高級ホテルの庭ではヨガプログラムが行われているが、庶民の私にはここのほうが心地よい。くたびれて肌触り最高のTシャツも堂々と着られるし、少々の雨なら問題はないし日焼けもしない。一年中気温が高いのも気軽でいい、こんな場所を持ちたいと常々思っていた。

というわけで家のバルコニーにデッキを作った。もちろんDIY。そう、ここでヨガをするために。バルコニーの向こう側が見えないつくりなので思う存分身体を動かせる。スマホが奏でる「ティンクリット」、鳥のさえずり、少し湿った南国の木々の香り…目を閉じて身体を伸ばしていくと…あ~ここはバリ島、いつものホテルのバルコニーヨガだ!と錯覚も可能。

マットに仰向けになり深い呼吸をして今の感覚を味わう。
今日の私の身体はどうだろう?心の状態はどうだろう?

心地よさを引き裂くプロペラ音!来たな~オスプレ~イ、ここは沖縄だ~!

経験という財産を分け与えるのがヨガ

この記事を書いている最中に、私にヨガの世界を見せてくれた師匠、今津先生から連絡があった。コロナ問題でヨガ教室は大変らしい。別の建物にスタジオを移動し、オンラインヨガのクラスもはじめたそうだ。明るいお喋りに私の心もほぐれる。

先生は人間の身体について造詣が深く鍼灸やマッサージの知識もある。また武道を習っていたこともあり、筋肉を効果的に緩める方法や日常の身体の使い方などにも精通している。
先生がヨガの世界に入ったきっかけは、自身が身も心も壊してしまったからだとか。失ったものを取り戻していく過程で多くのことを学んだそうだ。豊富な経験は財産、その財産を生徒に分け与えているということ。これはヨガの行者が事実の積み重ねを伝え続けてきたのと同じではないか。

実際に「ジャパンヨガアカデミー」の「ヨガインストラクター養成講座」は、ポーズだけではなく身体の仕組みはもちろん、身体と意識の使い方、ヨガの歴史、東洋医学、陰陽五行説、十二経絡、食についてなど多岐にわたる。今津先生が言っていた言葉を思い出す。

ヨガに上級も中級もない、ヨガはフィットネスじゃない

ヨガの上級者←そういう考え方が本来のヨガとかけ離れている。身体を伸ばしたり縮めたりして難しいポーズを行っていることは確かに上級者に見える。でもポーズを行っている人の内面の健康までは見えない。だから身体が硬いとか、ポーズがうまく出来ないとか、そんなことは関係ない。心身の健康を保つための、頑張りすぎないゆるヨガで十分なのだ。


最初は呼吸だけでも

① あぐらの姿勢で坐骨をしっかり座面に突き刺すように座り、骨盤を立てる。

② 目を閉じるか、少し前の下方向に視線を落とす。

③ 手のひらを上に向け膝のうえに置いて親指と人差し指をくっつける(仏像を思い出してみて)。

④ 舌を上あごに触れさせる。

ヨガの呼吸は鼻呼吸。鼻から吸って鼻から吐く。でも鼻から吸って口から吐いてもいい。その場合は口をすぼめたフーッではなくおなかの底からハーッと。吸う時のカウントが4だとしたら、吐く時のカウントはその倍の8。呼吸だけに意識を集中する。意識が呼吸からそれたと認識したら、もとの呼吸に意識を戻せばよい。

これが「瞑想」「マインドフルネス」というもの。人の思考の80%は「過去の後悔」と「未来への不安」だという。そう言われると確かにそうだ。何かの拍子に思い出してしまった好ましくない昔の出来事が自分を惨めにさせたり、いつ起こるかもわからない大災害やコロナ感染のことを想像して眠れなくなったりする。これが脳を疲労させ精神的エネルギーを浪費し、心を蝕ばもうとする。思考の元は自分であると知れば、心は楽にならないだろうか。過去や未来ではなく、今、自分がやっていること、まさにそれが呼吸。呼吸だけに意識を集中することで脳の整理をし、身体と心の巡りを整えていきたい。

近くにお気に入りの、気持ちいい公園があるなら、そこへ行って呼吸やヨガをするのもいい。でも私はバルコニーでゆるヨガ、呼吸して脳の整理。大好きな黄緑色のヨガマットが曇りの日でもフレッシュな気持ちへと導いてくれる。

記★料理人punkichi