世界の床屋から~旅先で散髪してみた

海外、初散髪は意思伝わらず

店主は20代のころから海外散髪が大好き。実際は好きというより、海外に長期滞在していると髪が伸び放題になり、むさくるしい外見になることを避けるため。ただでさえ外国人、汚い外見だとそれだけで怪しいやつと思われて損をすることもある。目や耳に髪がかかるのも気持ち悪いし、言葉が通じないとかそんなことを言っていられなくなるんです。初めて海外で髪を切ったのはオーストラリアのパース。まだ英語で髪型を伝えられなかったワーホリ中の店主、自分の意に反した超2ブロックにされ、えええーっ!でもそれも良い思い出。

20年前のバリ島散髪はワイルド

若かったサーファー旅人時代は、バリ島の半オープンの床屋専門。一緒に旅をするようになった私も店主の世界の床屋シリーズに興味深々。言葉の通じない外国人は壁に貼ってある髪型写真の番号を言うシステム。その髪型写真が凄い。いつの時代なんだと聞きたくなるようなリーゼントやダックテールのようなヒサシ系が沢山。写真モデルはすべて欧米人。癖毛が多いインドネシア人には無理な髪型も結構ありました。店主が選ぶのは14番。顔そり、シャンプーはナシ。汗でべとべとのからだにへばりつく細かい髪を落とすために宿に走ったものでした。当時の代金は日本円で60円!驚きの価格です。田舎の古い床屋に行けばまだそういう写真があるかも、探してみようかな。

10数年前はヘアサロンに昇格

仕事でバリ島に住んでいた頃には、サヌールのヘアサロン(美容院風:今はなくなってしまった店)が行きつけに。中華系インドネシア人と思われるリアさんを常に指名。彼女はバリ島での散髪経験のなかでも群を抜いて上手だったから。ヘアサロンと言ってもそこはインドネシア、シャンプーは水しか出ないし、使っている櫛の歯は欠けているし、タオル類はゴワゴワ。印象的だったのはとても美しい女性のような坊主頭の男性のスタッフ。仕事をぜんぜんしないで鏡に映る自分の姿ばかり見ているので怒られたりしてて(笑)サロンでの散髪料金は日本円で300から400円くらいでした。
この時代の散髪写真がないのが残念です。

散髪 プーケット編 2012

ボサボサ頭のむさ苦しい店主はプーケット旅行で髪を切ると決めていました。プーケットタウンを歩きながら床屋を探す。花屋さんかな?と思うような店構えの小奇麗なヘアサロン「プーケットタウン・ビューティーサロン」を発見。清潔な店内に待っているお客が二人もいるので腕がいいのでは?とここに決定。ドアを開けて挨拶、プーケットは世界中の観光客が来るだけあって英語が通じる!雑誌の中から好みの髪型を選んで大まかに長さなどを伝えました。

ボサボサ頭の店主を色白で体格のいいスタイリストのおにいさんが担当。このおにいさん、とにかく切るのが半端なく早い!そしてとても上手、ここにして正解でした。櫛とバリカンを正確に手際よく使ってカットしていきます、日本に来ればカリスマ美容師かも!?

英語が堪能なおにいさん「あなたは韓国人?あ、日本人なのね、私と同じストレートヘアね~」優しい喋り方、しぐさ、たぶん心はおねえさん。当時の年齢は38才、クリスチャンだと言っていました。

おしゃべりしながらもサクサクとこなしていきます。

おしゃれな雰囲気に仕上がりましたね~コップンカー(ありがとう)

この店のオーナーらしき坊主頭のオヤジさんも、おねえさんなのがわかりました。店内で犬を飼っているのですが私がなでようとしたら「触らないで!凶暴で噛むのよっ!」と大きな身振り手振りで怒られてしまいました~ごめんなさ~い。でも帰り際には、蘭のお花が好きなので外にたくさん飾っていることなど優しく説明してくれました。他にもヘアサロンは沢山ありましたが、早い時間から開店していたし、店内も清潔、お客さんも次々来ていました。細やかな心遣いでとても勤勉なお店に感心。
散髪代280バーツ

散髪 プーケット編 2013

前回気に入ったサロンなので、同じお店を再訪。スタイリストのおにいさんに去年髪を切ってもらった時の写真を見せたらとても感激してくれました。「私のカットが気に入って来てくれたの?嬉しい~ありがとう~、でも去年の私、太ってる。」今回も楽しい会話です。

確かにおにいさん去年より痩せたかも。そして髪型がちょっと斬新になってました。
前回と同じ髪型にしてもらい終了。


散髪代300バーツ 前回と微妙に違うけどまあいいか

散髪 プーケット編 2014

三回目、同じサロンに行きました。この時は島結のお客様でロードバイク等のスポーツ自転車を扱っている「ちばサイクル」の店長とプーケットで合流したので、店主行きつけサロンをご紹介しました。
店内がちょっと変わったようです。グリーンのモザイクタイルで壁がデコレーションされ、奥にカウンターのようなものが出来ています。スタッフも増えている!しっかり稼いでいるようですね。
雑誌から髪型を選んで着席~いつものスタイリストさん、お願いしま~す。「今年も来てくれてありがとう~丁寧にやるわね~」3年連続で来ると覚えてもらえたみたい。

いつものようにサクサクと仕事をこなすおにいさん。

店主はシャンプー終了。仕上げを待つのみ。

自転車ショップ店長アズさん、初の海外散髪にちょいと緊張気味。

はい、店主はカット終了。安心の技術力、いつもながら上手です。

アズさん、なかなか男前に仕上がりました。そしておにいさんに妙に気に入られております。怒りっぽいこの店のオーナーさんもアズさんが気に入ったようで、ニコニコご機嫌。
散髪代280バーツ 最初の時の価格に戻る お客を連れてったせいか?

散髪 プーケット編 2017

プーケットタウンに出なかったので、滞在ホテルからすぐビーチに近い小さなお店で散髪に挑戦。こじんまりとした店内、小柄でかわいいおねえさんが一人でやっているサロンのようです。世界有数の観光地、英語が通じたので問題なし。王様の写真が飾ってあってタイらしい雰囲気、主にご近所の方が来ているお店のようであまり話をせず、もくもくとカットしていきます。若い女性のスタイリストさんに髪を切ってもらうのは久しぶりで、店主ちょっと嬉しそう。

やはりタイのスタイリストさんはバリカンの使い方がすごくうまいです。

トップにスキバサミを上手に入れました。

終了~。コップンカー!仕上がりはこんな感じ。まあまあかな。比べてしまうとプーケットタウンのおにいさんのほうが上手ですが、仕事は手早く和やかな雰囲気で◎。
散髪代 280バーツ

散髪 バリ島編 2016

久しぶりにバリ島で散髪。「カリフォルニア バーバー」2015年にオープンした新しいお店のようです。シンプルでおしゃれ、椅子もとても立派、エアコンもしっかりきいていて、今までのバリ島の床屋さんのイメージとは全然違う!並んだ髪型写真の番号で髪型を選んでいた時代は終わったのですね~誰がするんじゃ?的な髪型写真も結構面白かったんですけど。

スタイリストのおにいさんはダンスするようにポジションを変えながらカットしていきます。

このおにいさんには自分なりのこだわりがあるようで、とても時間をかけて丁寧にカットしていました。そこまでこだわる?というほど慎重です。プーケットのおにいさんはとにかく仕事が速かったですが、やはりここはインドネシア、ゆっくりです。

さっぱりしました、爽やかに見えます。
物腰穏やか、とっても優しい雰囲気のおにいさん、ありがとねー。

ヘッドマッサージもしてくれて、散髪代 75000ルピア。ちょっと高めですが、とっても清潔で安いうえに腕も相当良し、初めてバリ島で髪を切ろうと思っている人にはオススメ。
クタのアディダルマホテルの近くです。日本語は通じないけれど英語なら大丈夫、外国人との会話に慣れているので日本人のカタコト英語でもちゃんと対応してくれます。

散髪 バリ島編 2017

クタ、ポピーズ1とポピーズ2をつなぐ通りを歩いているときに見つけたこのお店。

髪を切りたかった店主は吸い込まれるように入店。スタッフはすべて女性、オーナーさんらしきおねえさんが、カット?とジェスチャーで話しかけてきます。バリ島で商売をしている人は外国人に慣れているのでこちらも意思を伝えるのが楽~。店内にはインドネシア式のブライダルメイクや、ブライダルファッションの写真が飾られていて、そういう伝統的な髪型を結うことが出来るお店のようです。日本なら「日本髪、着付けできます」といったところかな。雑誌などはないのでジェスチャーと英語&インドネシア語で切って欲しい雰囲気を伝えます。さあ、ちゃんと伝わっているかな?

バリカン当てて散髪開始!

おねえさんはベテラン、雑談を交えながらあっという間に髪を整えていきます。あれ?散髪用ケープに

「髪は女の命なのか?」

って書いてある。裏返しだけど(笑)

「楽が一番の髪型」?これも裏返し。面白いですね~。

隣の鏡の前では、若いお姉さんがストレートヘアにするセットをしていました。

長い時間がかかっていたのは彼女の癖毛をじっくりと伸ばしていたから。癖毛の多いインドネシア人は日本人のようなまっすぐな髪に憧れていて、直毛の私はいつもうらやましがられます。「その髪はナチュラル?いいわねー」と。癖毛に憧れる私は同じ言葉を返すのです。「そのクルクルとした素敵なカール、いいわねー」と。

はい、カット終了。ベビーパウダーをポンポン、懐かしいですね~こういう感じ。うん、なかなか上手です。

おねえさんお金もらってご満悦です。こういうジョークもインドネシア人がやると嫌味な感じがしないのはなぜかしら?明るくて自然体な気質だからでしょうかねー。

「あなた何歳?」店主ではなく私にいきなりの質問。正直に答えると「若くみえる!何を飲んでるの?」と。日本では年齢相応の私でもインドネシアでは若く見られます。日本には紫外線が届きにくい冬があるので光老化はインドネシアよりはずっと少ないし、メイクよりも肌そのものへのケアを重視するとういう日本の美容習慣も若く見える理由だと思います。実際に特別なものは飲んでいないので回答に困り「日本の緑茶」と答えてしまいました。「オーケー!私も日本の緑茶を飲むわ。」というおねえさん。おねえさんはおしゃれで溌剌としていて可愛い人だったので何もしなくても素敵ですけどね。

散髪代 25000ルピア 安い!安すぎる!

散髪 台湾編 2016

台湾高雄、旅のお約束、店主散髪ターイム!
ホテルのすぐ横、昔ながらの理髪店のドアを開けると理容師のおねえさんがニコニコと出迎えてくれました。すぐに椅子に座らされて、あっという間にバリカン始動!

ああ、そんなに一気にいく!?店主はキノコ頭に変身。かなりベテランですね、バリカン持つ手に迷いなし。
ただ、いささか店主の座高が高すぎるようで、今履いている高いヒールのサンダルをもってしても苦しそう。

バリカン止まって襟足の処理、ええええええ?Σ(・□・;)詳しくは後ほど…
髪を洗い流してもらって散髪終了。

さて、ええええええの理由。襟足、めっちゃ短くされてる!(◎_◎;) しかも微妙にナナメ~
実はもみあげも完全に無くされていました。これが台湾スタイルなのかな。


おでこ生え際の剃りも何やらヘロヘロと曲がってます。座高が高すぎてやりにくかったのかもしれません。


散髪代 300元。順番待ちしていたおじいちゃんが日本語で「ここあたりでは一番安い」と言っておりました。安かったし、おねえさんがとても朗らかだったので良しとしましょう。洗髪もちゃんとお湯だったそうです。このてーげーな感じにちょっとびっくりではありましたが、私のことではないのでOKです(笑)

海外で髪を髪を切るときは

衛生面に神経質な人にはおすすめしません。タオルの肌触りが悪かったり微妙なにおいがしたりという事もないわけじゃない。先進国以外では洗髪は基本的にお湯ではなく水。これも心得ておかなくちゃ。でも散髪代は日本よりもずっと安くいい人に当たれば1000円カットよりかなり上手で丁寧です。世間話も出来て外国にいるんだなーっと実感できるし、その国の日常を感じることができますよ~。挑戦してみようかなーと思ったら、気に入った髪型写真を持っていって見せるのがいちばん伝わります、あとはボディランゲージで頑張ってみよう!

店主は「どんな髪形になっちゃうんだろう!?」とドキドキするのが楽しくなっているらしい、こうなってきたらあなたも立派な「世界の床屋から」のリポーターです。

記★料理人punkichi