コンビーフハッシュは沖縄家庭料理に欠かせない定番保存食、今では人気の沖縄土産
沖縄でコンビーフといえば「コンビーフハッシュ」
県民ならではの習慣や食材を紹介する番組をきっかけに、内地にも広く知られることとなった「コンビーフハッシュ」。沖縄県民にとっては、あの台形の缶に入った加工牛肉ではなく、小さな角切りジャガイモとほぐし牛肉をミックスした
「コンビーフハッシュ」こそがコンビーフ
という認識。
琉球王朝文化からの沖縄食とならびバーガーやステーキなどのアメリとカ食もしっかりと根付いている沖縄。戦後、アメリカから彼らの軍用食や日常食が沖縄にもたらされ、冷蔵庫が普及していない沖縄でも常温長期保存が可能なスパムなどの缶詰肉とともに「コンビーフハッシュ」も重宝されていったのだという。
沖縄の保存食材は家族愛
30年ほど前に沖縄を訪れた私は、輸入品を扱う高級スーパーでしか見ることがなかった缶詰の種類の多さにビックリ。スパムはもちろん、ハム、ソーセージ、ビーフシチュー、アンディ・ウオーホルのアート作品で有名なお洒落スープの代表キャンベルスープまでも!しかも安い。そのことを沖縄出身の同僚に話すと「親が送ってきた缶詰が沢山あって食べきれないからからあげるよ」と分けてくれた。遠く離れたわが子がちゃんとご飯を食べているのか心配する親は、食べ慣れた、しかも保存が利くものを沢山送り元気で頑張って欲しいと願っていたのだろう。確かに当時は三倍いや、四倍、五倍の価格差がありわざわざ送料をかけてでも送る価値があったのだと思う。親の愛情も一緒に詰めて…。
最近では内地の価格と沖縄価格の差はあまり感じられなくなってきたが、それでも離れて暮らす家族や親戚に沖縄食材を詰めて送る習慣はなくなっていない。スーパーでは配送料金にとても詳しいスタッフもいて、ダンボールを探してくれたりとても親切に対応してくれる。
これは沖縄で売っているキャンベルスープ。表記は全て英語、アメリカで売っているものと同じなので内地のものとはラインナップも味も違う。
ホーメル製、オキハム製、おすすめはどちらか
左がホーメル製 右がオキハム製
缶詰コーナーに行くとスパム等のポーク缶詰めの近くに「コンビーフハッシュ」が並んでいる。以前は缶詰タイプだけだったが、使い勝手がよくゴミ捨ても楽なパウチタイプが今は主流。アメリカっぽいパッケージのホーメル製と、親しみやすいパッケージのオキハム製があるが私はどちらでも良いと思っている。ホーメル製のほうが若干味が濃いように感じるが、実際のところそれほど差は無い。その時安いほうを買えばよいと思う。強いて言えば発色剤を使っていない無添加タイプをおすすめする。無添加タイプは賞味期限が通常のものより少し短いときいたが、そう、保存料が含まれていないということはそういうことなのだ。
原材料、についてはどちらもほぼ同じ、無添加タイプのものは化学調味料も入っていない
台形缶のコンビーフより人気がある理由は
「コンビーフハッシュ」は70グラムで特売だと69円という安さ。普段でも100円くらいで買うことが出来る。家計にやさしいことは重要な理由!
この日はビックリの特売!私も4つ買ってしまった
コンビーフは80グラムで350円以上
牛肉だけでなくジャガイモが入っていることも好まれる理由ではないかと思う。ジャガイモが入ることでコンビーフ独特の牛肉臭さが薄れ、牛肉嫌いの人でも抵抗なく料理に使うことができる。オムレツなどのシンプルな調理法だとちょっと気になる牛肉臭も、醤油を使った炒め物や、スパイスを使う料理に加えると「牛肉なの?いや豚肉かも?」といった具合。要するに洋風ダシのような旨みとしてコンソメ代わりに使われているのだ。チャンプルーにこれを使ってさらに鰹節を加えれば旨みは倍増して美味しくなるというわけ。
曾祖母、祖母、母、と代々なじみのある食材であるうえに安いとなればこちらに軍配が上がるのは当然といえる。お土産などで「コンビーフハッシュ」を手に入れたら、珍しいものと思わずに毎日の料理に気軽に使ってみて欲しい。
こちらにレシピあり→ 人気の沖縄土産「コンビーフハッシュ」を使った美味しいレシピ
記★料理人punkichi