ヨガのおかげ!心と身体のメンテナンスに効果あり

ゆるヨガならバルコニーでもできる!その1

藤沢に住んでいる時は週一回通っていたヨガだが、沖縄転居に伴いすっかりご無沙汰。肉体労働でボロボロだった身体を週一回のヨガが支えてくれていたことを、今更ながら実感している。

狭い厨房で立ちっぱなし、同じ姿勢が多い調理の仕事を12年も続けられたのはヨガのおかげだ。お店を開店して4年目くらいだっただろうか、営業的には安定し心に余裕が出来ると体の不調に気づく。接客しながら夜遅い時間まで仕事をするせいか、ベッドに入っても脳が興奮状態で眠れない。
眠れないから疲れがぬけない。
疲れがぬけないからあちこち痛む。
疲労のループ…
このままでお店続けられるのだろうか?そんな時

ヨガに行くとよく眠れるし、いろんな意味で楽しい

と三線奏者のお客さんが、とある教室を紹介してくれた。「いろんな意味で楽しい?」まあ楽しいならそれに越したことはないわけで、早速その「ジャパンヨガアカデミー」の体験ヨガに参加してみた。

とことんゆるいヨガ、妖怪シニアになりたい

三線奏者のお客さんからは今津先生のクラスをオススメされた。聞いていたとおり、おっしゃれ~で気後れしてしまうようなヨガ教室とは程遠い。先生は普通の長袖Tシャツ姿(のちにそのTシャツは300円だったことを知る)。さっきまで寝ていたんじゃないかと疑いたくなうような寝巻き的ジャージの方もいたりして、服装に気を使うことはない。かな~り庶民的な雰囲気。

2018年7月に撮影したもの。当時のスタジオはビルの5F、コロナ以前なのでマットを借りることも出来た。

日々のニュースや美味しい食べ物の話などの雑談しながら準備運動がはじまった。服装だけでなくお喋りもかなりゆるい。実はこのおしゃべりが心をほぐし、固まった身体もゆるめていく。

最初は足からほぐしていき、徐々に体を伸ばしていく。ゆっくり、ゆっくり。これでもか~と伸ばす。自分のどこが硬いのかよくわかるまで伸ばすことが大事らしい。もちろん決して無理やりではなく。十分に体を柔らかくしてからヨガのポーズに移っていけば身体を痛めてしまうこともないからだ。ヨガは知らないうちに汗をかくのだが、時々水を飲むように声をかけてくれるので脱水の心配もない。

そのクラスに参加していた方々の大半は私よりも年上、ほぼシニアと言っていい。なのにみんな笑いながら、話しながら、後半のポーズは楽々。健康そのもの。

この日のヨガは私にとってはそこまでキツいものではなかったし、講師の今津先生は魅力的な人物で、先生と生徒(師匠と弟子?)だけれど壁が無くフレンドリー。いい意味での突き放し感もあり、これなら続けられるのでは?と通うことに決めた。何よりもヨガを続けていればあのような、いい意味での妖怪シニアになれるのではないかという期待があった。

数ヶ月後、腰痛治癒でヨガをもっと深く学ぶ

大嫌いな前屈、床からほど遠かった私の手がぴったり床につくようになったのは2ヵ月後。もっと驚いたのは長い間苦しめられてきた腰痛がいつの間にか消えていたのだ。
20代、軽いぎっくり腰を数回経験し、座薬でしのいでいた。
30代は歩くのも辛くなり、神経ブロック注射を経験していた。
なのに、それなのに、半年もしないうちに腰の痛みが改善するとは。洗面所で顔を洗う姿勢でも咳ができる喜びは腰痛持ちの人にはわかっていただけると思う。
興味は深くなり10ヶ月かけて「ジャパンヨガアカデミー」の「インストラクター養成講座」なるものを受講しヨガについて学んでみることにした。

ポーズを作ってストレッチする のがヨガじゃない!

ヨガの起源は約4500年くらい前に僧侶の修行としてインドで誕生したと言われている。体と心を結びつけ精神を安定させる修行法で「ヨガ(ヨーガ)」という言葉はサンスクリット語で「ユジュ」

「結ぶ」「繋ぐ」「調和する」など「何かと何かを結びつける」といった意味

長い年月を経てヨガの形は多様化し変化しながら世界各地に広がっていき、今では欧米を中心に筋肉パワーで常人には難しいポーズ(アサーナとか言わなくちゃいけないのか?)を連続で行う曲芸的ヨガがヨガだと思わされていたりする。パワフルなヨガの講師がヨガ中に腰を痛めたなんてよくある話で、体と心を結びつける修行だったことなと忘れ去られているのだ。まあ人それぞれということでそれを否定するつもりはない。どうぞお気をつけてと思うだけである。

ヨガは体の硬い人こそやるべき生活習慣

ヨガを人に勧めるとこう言われる。

いや~、体硬いんで無理

これは大きな間違い。硬いからこそ、その「硬さ」をもっともっと自覚するためにヨガが役に立つ。床に脚を伸ばして座り、足先をつかもうと腰を伸ばしていく…
硬い(痛みを感じる)のはどこか?腰、お尻、太ももの裏、膝の裏、ふくらはぎ、アキレス腱…そうやって自分で自分の体を感じるのだ。

準備運動しながら

右足のひざ裏がいつもに増してこわばっている。

足先はいつものように冷たい。

気持ちがそれてなんだか仕事のことばかり考えてしまう。

いつもと同じところからポキポキ音がする。

こんなふうに今の自分を客観的に見つめる。ポーズのときも同じ、しっかりと呼吸をしながら自分の状態を知る。そうしているうちに体のこわばりがほぐれ、身体が変わってくのがわかる。身体が楽になってきたのがわかると不思議と心も楽になってくる。

準備運動中の元店主。 彼はヨガを始めて、生まれて初めて自分の土踏まずを見たという。偏平足も改善するということか?

これが生活習慣になると、ヨガ以外の時も自分との対話ができるようになり、身体だけでなく心の声にも耳を傾けられるようになっていく。ヨガはポーズをやって身体をストレッチするだけではなく、知らぬ間に心もストレッチしているというわけ。

硬い身体は硬い心 柔軟な身体は柔軟な心

身体が柔らかい人がいい人だと言っているのではない。反対に考えてみるとわかりやすい。

不安だらけで心が頑なだと 身体も頑なになって痛みを強く感じる
不安があっても落ち着いた穏やかな心だと 身体の痛みも穏やかに感じる

ヨガは漢方薬などと同じで、長い時間をかけて積み重ねられた事実に基づく結果だという。ヨガ修行を行っていた行者達の肉体的精神的実践記、録がヨガのポーズであり瞑想であり呼吸なのだと。

ひねるポーズを続けていたら胃の調子が良くなった。
胸を広げるポーズで呼吸が楽になった。
脚の裏を伸ばすポーズで腰の痛みが和らいだ。

インドの山奥(山奥かどうかはわからないが)でそういう事実の積み重ねを行っていた行者のおかげで、何千年後の今、私がヨガと出会いこの記事を書いている。

ヨガで痩せる、ヨガで綺麗になると言うがそれは嘘ではないが本当でもない。ヨガは身体の巡りがよくなるので痩せる人もいるだろうし、肌が美しくなる人もいる。

前屈みで暮していると呼吸が浅くなり、前向きな気持ちになれなくなると精神科の医師が言っていたのを思い出す。胸を張った美しい姿勢で「私、鬱なんです」という人はまずいないそうだ。

ヨガは深い呼吸と正しい姿勢を促すのでが沈んだ気持ちを改善させるという。心が健康になれば暴飲暴食は減り、身体がすっきりし、表情が明るくなり、その結果綺麗になる人もいるだろう。逆に太ってしまう人もいるかもしれないが、健康的に太っているのなら問題はない。

ヨガを始めて2年くらい。いつの間にかこんなポーズが出来るように。

私は痩せなかった。むしろ体重は増えた。でもそれが筋肉であったことが今になってわかる。ヨガを全くやっていなかったこの8ヶ月、身体はダルダルになり服のサイズも変わりそうだというのに体重はあまり変わってい。残念ながら筋肉が贅肉に変わったようだ。それとともに心の緩みもはじまり、ネガティブな自分になってきている気がする。

まずい、このままではほんとにまずい。でも困ったことが…今のマンション、部屋が狭い…どうしようもなく狭い…。ふと目が行ったのはバルコニー。ここがあるじゃないか!ということで沖縄に来て8ヶ月、いよいよヨガを開始する。

記★料理人punkichi