カレーのレシピは無限大、スパイスの効果で身も心も美しく健康に!

効能・効果は様々、スパイス・ハーブは知られているだけでも100種類以上あると言われている

沖縄料理店なのにカレーをはじめたワケ

2008年1月25日、神奈川県藤沢市にオープンした「島結」はいろいろな縁と多くの方の支えによってできたお店だった。人は繋がっていて、昨日まで知らなかった人とも一生の縁ができることがある。縁は切れたり繋がったり、流れる雲のように形を変えながら空に広がり続けるものらしい。

「島結」をオープンしてから8ヶ月ほど経った頃、無性にカレーが食べたくなった。それもネパールのカレーが。いとこの奥さんはネパール人。いとこは大学生の頃にバイトしていたネパール料理店の店主だった女性と結婚したのだ。今では珍しくないネパール料理も昭和50年代当時はかなり珍しく、そして本当に美味しかった。
いとこと奥さんは海浜幕張でネパール料理店を経営している。私を妹のように可愛がってくれ、苦しいときにはいつも味方になって見守ってくれた。いとこと同じように自営業の飲食店を開業し精神的にも肉体的にも疲れきっていた私は、きっと二人に会いたくなったのだろう。電話をかけてカレーの話をしたらお店で作った自慢のククラカレー(チキンカレー)を冷凍して送ってくれた。

スパイスの香り豊かなカレーで細胞が活性化し、いとこ夫婦の優しさに慰められ、なんとなく元気を取り戻した私は、店主と自分の健康のために来週はカレーを作ろうと決めた。そして疲れているお客さんもきっとカレーを食べたいのではないかと1日限りのスポットメニューとして、ネパール風チキンカレー「ククラカレー」が登場した。

島結営業時代、12年間の営業で50種以上のカレーレシピがあった!

カレーは好評、用意していた分はあっという間に完売。日本人はインド人よりカレーが好きなんじゃないのか?と言われるのは本当かもしれない。さあ、それからが大変。沖縄料理店だというのに「カレーまたやる?たまにはいいよねー」とのリクエスト。材料やスパイスに拘りすぎるとコスト高になってしまうし、時間もかかる。何より本業の沖縄料理の仕込みもあるので時間は限られているのだ。

私は食べ歩きは好まない。美味しいと思ったお店の味をじっくり研究するほうが勉強になると感じているから。
いとこのネパール料理店のシェフから習った仕事。
店主の友であるスリランカ人のスバルタ氏からご馳走になったスリランカの家庭料理。
バリ島でレストランを仕切っていた頃のまかないの味。
旅先で食べた衝撃的なカレーの数々。

毎月1回はカレーを出すと決めた年は楽しみ半分、苦しみ半分で過ごしたが、尊敬できる人々に師事し助けられながらレシピは生まれていった。
気がつけば12年間で50種類。
主となる素材に合わせて中心となるスパイスを変化させるだけでも幅は広がる。更にトマトを使うか使わないか、ヨーグルトやクリームを入れるか入れないか、ココナッツミルクを入れるか入れないか…もうレシピは無限大。ただカレー専門店でもない沖縄料理店が、毎回決まった分量提供し続けていくのはそれなりに大変だった。もちろん、振り返れば楽しかったけれど。

さあ、いちばんシンプルなカレーレシピならこれ!

ネパールヘルシー食の基本「ダールスープ風レンズ豆カレー」のレシピ

大航海時代、スパイスを争った理由

スパイスは古代ギリシャ・ローマにも交易品として運ばれていた。アラブ・イスラム商人の収入源でもあり、東洋と西洋を結ぶ貿易には欠かせない品であった。大航海時代になると力を持ったヨーロッパの国々が、胡椒、クローブ、シナモンなどのスパイスを手に入れるために争うことになる。争えば争うほどスパイスの価格は上昇し金銀と同価値とまで言われていた。スパイスは原産地価格の2000倍以上の値段で取引されたとか。タイムスリップできるならネットで大量買いしたスパイスを山ほど抱え財宝と交換してきたいものだ。異文化に触れながらきっと楽しい時間旅行体験が出来るだろうに。


なぜスパイスを欲しがったか?

古代は祭祀用の香料や防腐剤の様なものでとても神秘的な秘密めいたものだった。その後は防虫剤肉類の保存や料理用として。独特の風味で肉の獣臭さを隠し洗練された味わいに仕上げることが出来る。
でも本当の理由は

高価だから

スパイスで儲けることは重要だけれど、自分がどれだけ金持ちであるかを見せつけることのほうがもっと重要。贅沢な品を贅沢に使うことがステータスというわけ。
不思議だ…私が間違って金持ちになってしまったら目立たぬようにそっと暮したいけど。

最終的にはスパイスの木そのものを気候の条件が合うそれぞれの植民地に移植していくことで、価格は安定していきスパイス戦争は終結!だからといってステータスを争わなくなったわけではない。第二、第三の品が次々と生まれてくるのだ。それは現在も変わっていない。

スパイスの香りが心を癒し、効能は身体を癒す

以前ある女性が「私カレーの香りを嗅いでいるだけで幸せな気持ちになるの」と言っていた。スパイスやハーブの持つ香りは心や精神に作用し、刺激、喜び、安らぎ、爽快感などを与えるといった科学的な研究結果がある。クローブ単体の香りが苦手でも、いくつかのスパイスとハーブを混ぜると良い香りになったりすることもあり、これがカレーの香りで幸せになるという理由なのではと思う。

スパイスとハーブを長きにわたって利用し得られた結果が、漢方薬やアロマテラピーといった健康分野への効果に結びついている。

主なスパイスの効能・効果

●シナモン、ロングペパー(沖縄の島胡椒ピパーチ)
血流促進、毛細血管拡張作用、利尿作用

●クミン、コリアンダーシード
食欲増進、消化促進、健胃作用

●クローブ
抗菌作用、麻酔作用、整腸作用

●アニス(中華料理のあの香り、八角のほうが有名か?)
血行促進、代謝促進、利尿作用、消化促進、鎮静作用

●ターメリック(カレーの黄色、沖縄ではうこん)
抗酸化作用、肝機能改善、アルコール代謝作用、コレステロール値低下作用、認知症予防

●ミント
鎮静作用、抗菌作用、抗炎症作用

●コリアンダー(パクチー)
健胃作用、過酸化物質抑制作用、重金属排出作用

適量のスパイス・ハーブを摂取し、香りを嗅いで過ごしていれば心身ともに健康になり、美しくもなると言うことか。

スパイスを使った料理は大好き、サイト内でもいくつか紹介しているのでお試しあれ。

「島らっきょうプラス健康食材で免疫力アップ」

「島結人気メニューのレシピ公開!『手羽中のタンドリーチキン風まかないバージョン』」

「カレーにおすすめ!ヘルシーで美味しい付け合わせレシピ」

記★料理人punkichi