にんじんしりしり~は便利な常備菜、沢山作って冷凍保存

一番シンプルなにんじんしりしりのレシピ

「にんじんしりしり~」はゴーヤーチャンプルーよりも愛されている沖縄の家庭料理

「にんじんしりしり~」とは、専用スライサー「しりしり~器」を使って千切りにしたにんじんと、缶詰のツナを共に炒め、和風のだし等で調味し、卵でとじた一品料理。好き嫌いが分かれるほろ苦ゴーヤーチャンプルーよりも癖がなくて万民に好まれている。

「しりしり~器」は一般的な鋭利なスライサーではなく、木製の板に金属製の半円形の出っぱりがいくつもついていて、表面がザラザラした感じにスライスされる。チーズおろし器に似ていると思っていたら、アメリカ人が使っていたチーズおろし器を利用したのが始まりという話を聞いて、へ~そうだったんだぁと納得(人から聞いた話だけどね)。「しりしり~器」を使ってシリシリ~と音を立てながら千切り状態にすることを

しりしり~する

と言うので、料理名も「にんじんしりしり~」。沖縄の人は鋭利なスライサーを使うよりも、味が染み込みやすくふんわり仕上がる「しりしり~器」を使うのを好んでいる。パパイヤや大根を千切り状態にするときにも使える便利グッズ。台湾でも全く同じものがそこらじゅうで売られていたっけなぁ、繋がりを感じることができてちょっと嬉しかった。

これがしりしり~器

これは木製枠の昔風のものを丈夫にしたタイプ、穴のサイズ細いものや太いものがある。木製枠のタイプは他にも色々あって、しりしり~する調理法が愛されていることがよくわかる。


こちらはプラスチック製なのでカビも生えないしお手入れも楽、ふんわり仕上がるので若い人に人気なのはこちらのよう。

実は私は表面をスパッと切ることができるスライサーを使ったほうが好き。にんじんの舌触りが滑らかでシャキシャキするから。私が使っているのはプロも多く愛用している品で「ベンリナー」という。見た目は地味だけれど楽しい商品名でしょ。

これがホントに良く切れる!切れすぎちゃって指が危な~い!何回かやっちまっているので調理専用軍手を用意し装着して使用することにしている(こうしてからはほぼ怪我はナシ)。

沖縄の居酒屋や食堂などで提供されているにんじんしりしり~は、シリシリ~器を使った、歯ごたえが優しいふんわり仕上がりのものが多いように思う。ここらへんは好みの問題かな。シャキシャキ派かふんわり派か、両方作って食べ比べてみるしかない。

しりしり~器を使っても、使わなくても、お好みでどうぞ!いろいろ展開できる常備菜「シンプルしりしり~」のレシピ

沢山作って保存するのが目的なので、にんじんは大きいサイズのものを3~4本くらい用意!

材料

にんじん オレンジと黄色、2色使うとキレイ。

ニンニク 1片を刻んでおく (これはお好みで、分量も好みで)別記事で紹介しているニンニクオイルを使うのもおすすめ ニンニクのお手軽保存術

塩、コショウ

ひまわり油またはオリーブオイル(原材料がわかる圧搾された油を使おう)

顆粒だし(和風でも、コンソメでもOK)

調理開始

にんじんをスライサー、またはしりしり~器で3~5センチ長さの千切り状態にする。

これくらいまででやめておこう、怪我しちゃうから。へたを切り落として違う料理に使いましょー。

大きく深めのフライパンにひまわり油を入れ、火をつける。中火くらい。フライパンが温まったらにんじんを投入。

にんじんの量が多いから3回くらいに分けながらトングを使って上下を入れ替えるように火を通していく。こんなに沢山あるのって思っていてもあっという間にかさは減るので安心して。

全体を混ぜ合わせて、全体に油がまわったらニンニクを加える。入れない人は無視して次へ。

塩、胡椒、顆粒だしを加え、好みの固さになるまで火を通す。ほら火が通ってきたらかさが減ってきてる~。私はちょいと固め仕上げなのでこのタイミングで火を止めて余熱にお任せすることにしている。にんじんが焦げ付きそうだったら少量の水を加えると顆粒だしも溶けやすくなる。

大きめの皿やボウル、バットに移して冷ます。

荒熱が取れたら1回分ずつポリ袋に小分けする。

口を折ってしっかり空気を抜いて。

フリーザー用保存袋に入れて冷凍保存。

ツナも卵も入れないので腐りにくくアレンジも無限大、冷凍しなくても冷蔵庫で1週間保存可能。

味付けについて

ここでしっかり味をつけておけば、解凍してからツナと炒めて卵でとじるだけで「にんじんしりしり~完成」。卵焼きの具としても使えるので、お弁当などに使う場合は濃い目の味付けのほうが便利かもしれない。にんじんそのものの甘さが時期や種類によってもずいぶん違う。塩を加える前に、にんじんそのものの味を確かめてから味付けするといいと思う。素材そのものの味や香りを知るとアレンジするときのヒントに繋がっていく。

記★料理人punkichi