健康成分がぎゅっと詰まったシークヮーサーは旬のうちに冷凍保存

安全な柑橘類が欲しい

レモン、ライム等の柑橘は料理に欠かせないと思っている。酸は酸でも酢とは違ったフルーティーな酸味、サラダや和え物のアクセントにはもちろん、肉料理、魚料理にも大活躍。私が得意としているタイ料理などのアジア料理には絶対に必要なものなのだが…
沖縄のスーパーで簡単に手に入るものは輸入品で防カビ剤使用の表示があるものばかり。もちろん1度や2度使ったところで死に至るわけではないけれど、皮にしっかり吸着している薬剤を口にするのは避けたい。国産レモンの季節にはJA直売所で広島産のものが買えるがその時期は短いうえに価格的にも決して安くはない。

やっぱり島のものがいちばん

レモンやライムの代わりになる沖縄産の柑橘はある。最近ではその名を知る人も多いシークヮーサー。6月末から7月になると小さな緑色の実が直売所に並ぶ。青切りシークヮーサーと呼ばれる若い実で、ペットボトルのキャップにすっぽり入るくらいの大きさ。カットするとペリドットのような黄緑色の果肉がキラキラと輝き、清涼感のある青く爽やかな香りが漂う。う~んいい香り!鼻から香気を吸い込み深い深呼吸。
青切りのシークヮーサーには様々な健康・美容成分が含まれているということで、皮ごと搾られた果汁が沖縄の特産品として人気が高い。皮ごと絞るので有機栽培のものがほとんど、安心して料理に使える。

7月から10月くらいまでは少しづつ実がが育ち、酸味は和らぎながらながら店頭に並び続け、12月~1月頃には青切りの時の酸っぱさはどこへやら、オレンジ色の小さなみかんのよう甘くなる。

シークヮーサーの効能は

シークヮーサーは沖縄に自生する原種の柑橘類、種がとても多く酸っぱいのが特徴。最近では甘みが多いものや種が無いものなど品種改良をすすめている農家もあるが、自然そのままの原種シークヮーサーはレモンの2倍の「クエン酸」を豊富に含み(主に果汁)、血糖値・血圧を正常に導く「ノビレチン」はカボスの10倍(主に皮)含まれているという。最近の研究では「ノビレチン」は花粉症症状の緩和や認知症の予防にもに効果的だという報告もある。


青い香りがあるうちに冷凍保存

有機栽培のシークヮーサー、冷蔵庫で保存しているうちに傷んでしまうこともある。使いきれないと思ったら冷凍保存が一番だ。保存方法は簡単、きれいに洗った果実を横半割りにする。

爪楊枝などで種を除く。使うときに気にならないのであれば除かなくてもよい。

2つか、3つか、使いやすい数に並べてラップで包む。私は大きめなら2つ、小さめなら3つにしている。

フリーザーバッグに入れて空気を抜いたら冷凍庫へ。

清涼感も果汁もたっぷりの時期に冷凍保存しておけば次の年の青切りシーズンまで料理に使い続けることができる。豊富に出荷されている時期はシークヮーサーの価格も安定しているので節約にも繋がる。水割りの泡盛に加えるときは凍ったままグラスに入れられるし、皮ごとすりおろせば料理に使うのも簡単、もちろん解凍して果汁を搾ることもできる。
いろいろ話題の健康効果はおまけのようなものと思いながら、安全に美味しく使える柑橘を大切にしていきたいと思っている。

記★料理人punkichi